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エイジング塗装
エイジング塗装は複数の色を重ねて、古びた風合いや立体感のある色を出す塗装方法です。
通常はスプレーガンで塗料を吹き付けて色を塗りますが、エイジング塗装の場合は布に塗料を取り、薄い色から濃い色へ、ポンポンと叩いて色を重ねます。
一気に色を仕上げようとすると、ムラがなくなって立体感が薄れたり、布の跡が残ってしまいます。
色を何度も重ね、焦らず何度も何度も叩いて着色していきます。
エイジング塗装の場合、塗るというよりも「塗料を置いてボカす」を何度も繰りかえすという表現の方がしっくりきます。
エイジング塗装で錆の浮いた雰囲気を出す際には、実際に錆が出やすい箇所には赤錆の赤褐色を多めにしたりと、場所によって色を変えたり濃淡に変化をつけることでよりリアルな表現ができます。
このように色や風合いを自由に変えられることができるのが、エイジング塗装の魅力です。
本物の錆の場合、周辺を汚してしまうこともありますので、用途や設置場所によってはエイジング風塗装を提案させて頂いています。
最初から古びた風合いが欲しいけれど、すぐにボロボロになってしまうのはちょっと・・という場合にはおすすめです。
焦茶ベースのエイジング塗装
赤錆風エイジング塗装
凸凹のテクスチャーと焦茶ベースのエイジング塗装
主張と調和の看板看板作り
今日は午前中からお客様が工房に来られました。
この時期の工房はとても冷え込みます。
工房内はきちんと空調の効く部屋がなく、小さな石油ストーブを炊いて凌いでいますが、外から来られるお客様にとってはあまり良い環境ではないなと思いました。
もう少し落ち着いてお話ができる空間作りをしないといけません。
サニーサイドスタジオで作る看板は、目を引くような派手さはありません。
これはお店の前に設置した際に、悪目立ちをして欲しくないという考えでデザインしているからです。
強い色や、大きな文字は確かに目立ちますが、お店の雰囲気やコンセプトに合っているかという点では、必ずしも目立てば良いというわけではありません。
お店の世界観は壊さないけど、お客様を迎える目印になったり、ふと目に止まり足を止めて頂ける。そんな看板作りをしたいと考えています。
この辺りの考えは以前noteにも書きました。
ただお店の世界観を優先しすぎて、お客様が迷ってしまうというのでは本末転倒です。
看板が、「ここに居ます」という主張一辺倒では無く、「ようこそいらっしゃいました」と歓迎するというイメージぐらいがちょうど良いかなと思います。
主張と調和のバランスを取る。
難しいですが、しっかり見極めて提案していきたいと思います。
公式LINEを開設しました
コラムを廃止してブログを開設しました
今回HP内のコラムを廃止し、日記とお知らせを同じカテゴリーにまとめて、ブログとして開設しました。
以前はHP上でコラムという形で記事を書いていましたが、カテゴリー分けができず過去の記事が検索しづらい状態でした。
この度システムの変更があり、HP内にブカテゴリーを分ける機能のあるブログが追加されましたので、この機
能を使って新たにブログとして書いていきたいと思います。
※以前書いていた記事はいくつか引っ越しさせてきました。
アメブロのような外部サービスではなく全て独自ドメイン内で開設したのは、このHPで情報を集約したいと思ったからです。
色々なサイトに飛ばされるよりも、できる限り一つの場所で情報を読めた方が、お客様にとって良いと判断しました。
既にSNSでも情報を発信しているのに、さらにいくつもブックマークするのは煩わしいですし、どこを見れば
良いのか迷わせたくないという考えと、こちらの編集の手間が1つで済むという実務的なメリットもあります。
今後はSNSに加えて、新しくなったブログでも情報発信をしていきたいと思います。
これからは日々の日記も書いていく予定ですので、今後ともよろしくお願い致します。
ちなみにnoteではもう少し個人的な感情や考えを書いています。
※ブログやSNSを読んで、さらに興味を持って頂いた方はこちらも一読下さい。
私、高嶋の人となりがもう少し理解して頂けるかもしれません。
サニーサイドスタジオ高嶋洋和のnote
https://note.com/sunnysidestudio
ステンレスの黒染めという技法
ステンレスは名前の通り錆に強い素材です。
そのため水回りのシンクや、調理用具に用いられますが屋外用看板にもぴったりの素材です。
アイアンの赤錆が出て経年変化していく様は趣があって素敵なのですが、
雨晒しになる場所に設置する場合や、周りをサビで汚したくない場合はこの素材をお勧めしています。
ただステンレスの場合は見た目が綺麗すぎて風合いが良くありません。
表面を塗装すれば見た目の問題はクリアしますが、素材感をもっと引き出すために素材の表面を薬品で化学反応させ、黒く着色する「黒染め」を施しています。
黒染めは塗装よりも塗膜が薄く素材感があるのでアイアンのような素朴さがあります。
少し専門的な話になりますがステンレスの表面には不動態皮膜と呼ばれる膜があります。これはステンレスの成分である「クロム」が大気中の酸素に酸化されることにより生成されます。素材自体の成分からできているので剥げてもまた再生されるという特徴があります。
この膜により表面が保護されることでサビから身を守っているのです。
ただこの強い膜があることにより薬品も弾いてしまうので、普通に黒染め用の薬品をつけても黒くなりません。
その為表面処理により膜を剥がしたり、温度を変えることで反応を良くしたりと色々と工夫をしないといけません。
この膜を一旦除去するという工程がとても大変で、たくさん試行錯誤して方法を探りました。
※まだまだ色々な方法を試していますが、少しづつ安定した色を出す事ができるようになってきました。
塗装は均一的な美しさがあり、黒染めには素材が持つ魅力を引き出す良さがあります。
どちらが優れているというわけではないので、ステンレスの素材感と、素材の持つ「錆びない」という利点を活かした製品づくりをしていきたいと思います。