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QRコードコード付き卓上真鍮プレートを紹介。
先日お客さんから依頼を頂いてQR決済用の真鍮プレートを製作しました。
インスタグラムにあげたら思いのほか好評で、すでにサイズ違いも含めていくつか依頼を頂いています。
最初にご依頼頂いたのは積極的にイベント出店もされている方だったので、お店とイベントどちらでも使えて、雰囲気の良いものとのことで選んで頂けました。
僕はQR決済をつい最近はじめたので便利さに気がついていなかったのだけど、一度使うとその利便性にびっくりして、もう手放せなくなっています。
イベント会場は作家さんとはもちろん、作品とも一期一会の場所です。
せっかく素敵なものと出会っても、手持ちがないと諦めてしまうのはもったいない。
でも銀行に寄ってから戻るのも大変だし、人気作家さんだとあっという間に目当ての品が売り切れてしまいます。
そんな時にQRで決済ができればお互い便利ですよね。。
それに出店者にとってもお釣りを用意しなくても良いのは、大きなメリットです。
イベントの途中でお釣りがなくなることは稀にあることだし、混雑した中お釣りのやり取りをする手間も省ける。
今になっては、もっと早く使っておけば良かったと思っています。
真鍮でQRを印字するとちゃんと読み込めるのかと心配されることがありますが、製作後には読み込みの確認を行なってから出荷しています。
今のところ印字したものが読み込めないということは出ていませんので、安心して頂ければと思います。
エッチングではとても細かい部分まで印字が可能なので、QRも綺麗に再現できます。
※QRは元々工場で使われることを想定して開発されたので、多少汚れても読み込めるようになっているそうです。
それにエッチングは印刷とは違って金属自体を薬液で溶かして彫り込んでいるので、普通に使っていれば印字が消えることはありません。
なので多少ラフに扱っても大丈夫かなと思います。
ただ太陽の光が反射してコードが読み込みにくくなることはあるので、その点はご注意ください。
真鍮の落ち着いた雰囲気で、カウンターに置いていてもお店の雰囲気を壊さないのも良いですね。
次にイベント出店する時は自分用も作っていこうと思います。
現場のニーズからご依頼を頂いて新しい製品ができ、たくさんの方に喜んで頂けるのはとても嬉しいことです。
他にも試作中の品もあるので、また紹介したいと思います。
下記ネットショップからもお求め頂けます。
金属製品のリメイク
たまに金属製品のリメイクの依頼を頂く。
金属はとても丈夫な素材なので、メンテナンスをすればとても長く使える。
錆が出ていたとしても磨けばまだまだ使える。
今日は10年以上前にとある工房で作ってもらったという看板の、リメイク作業をした。
フレームは鉄で、板部分は銅と真鍮で組まれている。
蔦が巻き付いたような意匠のとても凝った作りの看板。
鉄部分は錆が浮いており、板部分も経年変化で真っ黒になっている。
錆は進行すると表面から内部まで進むのだけど、依頼品は表面だけが錆びていたのでスポンジ状のヤスリで擦って錆を落とす。
製作時に良い塗料を使っていたようで、年数の割に劣化は少ない。
塗装が浮いてしまっていると、上から塗装をしても剥がれてしまうので、浮きがないかチェックしながら錆を落とす。
作業をしながらよくよく観察をすると、製作時についたであろう傷や、凹みに気がつく。
僕も同じような作業を行うので、なんとなく察しがついて面白い。
「ここにこの凹みがあるってことはこうやって曲げたのかな」とか「この部分はどうやって加工したのだろう」と考えながら作業を進める。
錆を落としてから破損箇所を溶接する。
そのあと脱脂を行い、艶消しの塗装していく。
板部分は真鍮製の文字の張り替えと研磨作業。
10年もすると銅も真鍮も真っ黒になっている。
はじめ見た時には何の金属か分からなかったほどだ。
7割ほど行い、残りは次の日に回す。
リメイクは大変さもあるけど、なかなか楽しい。
修理やリメイクの作業は実物を見て色々試してみいないと、どう加工するか決められない。
金属だと聞いて預かった製品の一部が、実は木材だったこともあるし、鉄だと思ったらアルミだったりする。
サニーサイドスタジオにある工具や技術で対応できればなんとかするのだけど、アルミを溶接するには専用の溶接機が要るし、木材であればできることは限られる。
もし失敗すれば元通りにはならないので、できないことはできないと断ることもある。
それでも、、と言ってもらえる場合には自分でできる範囲で頑張る。
木材の部分を金属に変えたり、アルミの部分は溶接ではなくボルトで接合したり、接着剤を試す。
色々と手間はかかるけど、技術や経験として得られるものは多いし、捨てようとしていたものが、上手くいけばまた10年は使える。
そう思うとワクワクする。
最初に作った職人はどんな想いでこの製品を作ったのだろうと想像する。
じっくり観察していると全く知らないのに、身近に感じてくるから不思議なものだと思う。
生まれ変わった姿を見て驚いてくれるだろうか。
看板選びのヒントその2 風には強い?
アイアン製の看板は重量があるので、風には強くなります。
重ければ重いほど安定感は上がるのですが、逆に倒れた時に危険なのと、持ち運びが不便になります。
なので風が強い場所に設置する場合には、ストッパーをつけて安定感出したり、下部に重石を乗せて重心を下にして安定感を高める仕様をお勧めしています。
下部重石置きの例
ちなみに重量は折りたたみ式で3キロ程度、スタンドタイプで7キロ程度です。
女性が一人で持ち運びできる平均は11キロ程度までと言われています。
お打ち合わせの段階で、重すぎるかもという場合は事前にお知らせしています。
下部ストッパー
重すぎる場合は鉄の部分を軽量なアルミ板に変えたり、部材を細くして重量を下げるなどの工夫をします。
闇雲に重くして風には強いけど、移動させにくいということにならないよう気をつけています。
お客様と話していてよく言われるのが「今使っている看板が風に飛ばされる、倒れる」ということです。
よくよくお話を聞くと一般的に売られている木製の両面が黒板になった看板を使われていることが多いです。
この仕様の場合、木製で軽量であること、全面の板に風が直撃してヨットの帆のように煽られてしまうこと、そして固定するものがなく風の勢いで足が閉じてしまうことが原因だと思います。
風で飛ばされる原因が全て揃っているので、確かに風には弱いだろうなと感じます。
このようなお話を聞く中で、風に対して強くする仕様を考えてきました。
転倒が不安な場合にはお気軽にご相談頂ければと思います。
ただどちらにせよ天候をよく確認して、風が強くなってきたら室内へ移動させる等の対策はしっかり行って下さいね。
看板選びのヒント その1 折り畳み看板のメリット
看板を製作する際にお聞きする事項や、よく聞かれる項目をまとめてみました。
看板製作のヒントにして頂けると思いますので、看板製作の依頼を考えている方は参考になさって下さい。
その1 看板は持ち運びはしますか?折り畳み看板のメリット
マルシェやイベントに持って行く場合や、お店が2階にあったりして看板をたくさん移動させないといけない場合には、折り畳みができるタイプをお勧めしています。
また看板は安定感を高めるために、足元を大きくしているので意外に場所をとります。
なので収納しておくスペースが狭い場合や、車で持ち運びたい場合にも折りたたみ式看板がお勧めです。
折り畳みの場合はパッと開いて設置するだけのタイプと、サイドにストッパーがついたタイプがあります。
ストッパーは鉄のしなりを利用してガチッと止まるので外れにくく安定感が増します。
※サイドストッパーの例
例えば人がぶつかって足が閉じてしまい、看板が倒れるという事故を未然に防ぐことができます。
人通りが多い場所や、小さな子供がよく来店する場合のお店の場合はストッパー付きがおすすめです。
その他には置く場所の床面が滑りやすい場合にも、ストッパー付きが良いと思います。
床が滑りやすいと、ちょっと当たっただけで足が閉じてしまう事故につながります。
※仕様によってはストッパーが必ず付いているものもあります。
持ち運びが多い場合や、置き場所のスペースに不安がある方は折り畳み式の看板をご検討下さい。
真鍮の経年変化について
真鍮は古くから装飾などにも使われる金属です。
加工がしやすく腐食にも強いので、昔から建材や色々なものに使われてきました。
真鍮の特徴として経年変化の大きさが挙げられます。
使い込むほどに表面はくすみ、場合によっては緑青(りょくしょう)という錆が出てきます。
懸念変化の出た真鍮は、とても趣がありアンティークな雰囲気を出すことができます。
この経年変化を楽しみながら育てるという楽しみ方もできますし、コーティングをすれば美しい金色の光沢を楽しむこともできます。
コーティングには丈夫なウレタン塗料を使い、日光や雨水から真鍮を守ります。
経年変化はかなり遅くなりますので、変化を楽しみたい方はコーティングなしでも良いかもしれません。
真鍮の表面がくすんできたら、金属用の研磨剤で磨くとくすみを除去することができます。鉄のように錆が内部まで進行してボロボロになりにくいのも真鍮の良いところです。
エッチングで印字した場合は剥がることはないので、長期間の使用も安心。
美しい光沢と経年変化という魅力のあるおすすめの素材です。
真鍮の仕上げは明るい生地仕上げと、落ち着いた雰囲気のアンティーク仕上げの2種類があります。
どちらも艶消しのウレタンクリア塗料でコーティングしていますが、経年変化を愉しみたい方は、コーティング無しも可能です。
生地仕上げ
アンティーク仕上げ