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看板選びのヒントその2 風には強い?
アイアン製の看板は重量があるので、風には強くなります。
重ければ重いほど安定感は上がるのですが、逆に倒れた時に危険なのと、持ち運びが不便になります。
なので風が強い場所に設置する場合には、ストッパーをつけて安定感出したり、下部に重石を乗せて重心を下にして安定感を高める仕様をお勧めしています。
下部重石置きの例
ちなみに重量は折りたたみ式で3キロ程度、スタンドタイプで7キロ程度です。
女性が一人で持ち運びできる平均は11キロ程度までと言われています。
お打ち合わせの段階で、重すぎるかもという場合は事前にお知らせしています。
下部ストッパー
重すぎる場合は鉄の部分を軽量なアルミ板に変えたり、部材を細くして重量を下げるなどの工夫をします。
闇雲に重くして風には強いけど、移動させにくいということにならないよう気をつけています。
お客様と話していてよく言われるのが「今使っている看板が風に飛ばされる、倒れる」ということです。
よくよくお話を聞くと一般的に売られている木製の両面が黒板になった看板を使われていることが多いです。
この仕様の場合、木製で軽量であること、全面の板に風が直撃してヨットの帆のように煽られてしまうこと、そして固定するものがなく風の勢いで足が閉じてしまうことが原因だと思います。
風で飛ばされる原因が全て揃っているので、確かに風には弱いだろうなと感じます。
このようなお話を聞く中で、風に対して強くする仕様を考えてきました。
転倒が不安な場合にはお気軽にご相談頂ければと思います。
ただどちらにせよ天候をよく確認して、風が強くなってきたら室内へ移動させる等の対策はしっかり行って下さいね。
看板選びのヒント その1 折り畳み看板のメリット
看板を製作する際にお聞きする事項や、よく聞かれる項目をまとめてみました。
看板製作のヒントにして頂けると思いますので、看板製作の依頼を考えている方は参考になさって下さい。
その1 看板は持ち運びはしますか?折り畳み看板のメリット
マルシェやイベントに持って行く場合や、お店が2階にあったりして看板をたくさん移動させないといけない場合には、折り畳みができるタイプをお勧めしています。
また看板は安定感を高めるために、足元を大きくしているので意外に場所をとります。
なので収納しておくスペースが狭い場合や、車で持ち運びたい場合にも折りたたみ式看板がお勧めです。
折り畳みの場合はパッと開いて設置するだけのタイプと、サイドにストッパーがついたタイプがあります。
ストッパーは鉄のしなりを利用してガチッと止まるので外れにくく安定感が増します。
※サイドストッパーの例
例えば人がぶつかって足が閉じてしまい、看板が倒れるという事故を未然に防ぐことができます。
人通りが多い場所や、小さな子供がよく来店する場合のお店の場合はストッパー付きがおすすめです。
その他には置く場所の床面が滑りやすい場合にも、ストッパー付きが良いと思います。
床が滑りやすいと、ちょっと当たっただけで足が閉じてしまう事故につながります。
※仕様によってはストッパーが必ず付いているものもあります。
持ち運びが多い場合や、置き場所のスペースに不安がある方は折り畳み式の看板をご検討下さい。
真鍮の経年変化について
真鍮は古くから装飾などにも使われる金属です。
加工がしやすく腐食にも強いので、昔から建材や色々なものに使われてきました。
真鍮の特徴として経年変化の大きさが挙げられます。
使い込むほどに表面はくすみ、場合によっては緑青(りょくしょう)という錆が出てきます。
懸念変化の出た真鍮は、とても趣がありアンティークな雰囲気を出すことができます。
この経年変化を楽しみながら育てるという楽しみ方もできますし、コーティングをすれば美しい金色の光沢を楽しむこともできます。
コーティングには丈夫なウレタン塗料を使い、日光や雨水から真鍮を守ります。
経年変化はかなり遅くなりますので、変化を楽しみたい方はコーティングなしでも良いかもしれません。
真鍮の表面がくすんできたら、金属用の研磨剤で磨くとくすみを除去することができます。鉄のように錆が内部まで進行してボロボロになりにくいのも真鍮の良いところです。
エッチングで印字した場合は剥がることはないので、長期間の使用も安心。
美しい光沢と経年変化という魅力のあるおすすめの素材です。
真鍮の仕上げは明るい生地仕上げと、落ち着いた雰囲気のアンティーク仕上げの2種類があります。
どちらも艶消しのウレタンクリア塗料でコーティングしていますが、経年変化を愉しみたい方は、コーティング無しも可能です。
生地仕上げ
アンティーク仕上げ
エイジング塗装
エイジング塗装は複数の色を重ねて、古びた風合いや立体感のある色を出す塗装方法です。
通常はスプレーガンで塗料を吹き付けて色を塗りますが、エイジング塗装の場合は布に塗料を取り、薄い色から濃い色へ、ポンポンと叩いて色を重ねます。
一気に色を仕上げようとすると、ムラがなくなって立体感が薄れたり、布の跡が残ってしまいます。
色を何度も重ね、焦らず何度も何度も叩いて着色していきます。
エイジング塗装の場合、塗るというよりも「塗料を置いてボカす」を何度も繰りかえすという表現の方がしっくりきます。
エイジング塗装で錆の浮いた雰囲気を出す際には、実際に錆が出やすい箇所には赤錆の赤褐色を多めにしたりと、場所によって色を変えたり濃淡に変化をつけることでよりリアルな表現ができます。
このように色や風合いを自由に変えられることができるのが、エイジング塗装の魅力です。
本物の錆の場合、周辺を汚してしまうこともありますので、用途や設置場所によってはエイジング風塗装を提案させて頂いています。
最初から古びた風合いが欲しいけれど、すぐにボロボロになってしまうのはちょっと・・という場合にはおすすめです。
焦茶ベースのエイジング塗装
赤錆風エイジング塗装
凸凹のテクスチャーと焦茶ベースのエイジング塗装
ステンレスの黒染めという技法
ステンレスは名前の通り錆に強い素材です。
そのため水回りのシンクや、調理用具に用いられますが屋外用看板にもぴったりの素材です。
アイアンの赤錆が出て経年変化していく様は趣があって素敵なのですが、
雨晒しになる場所に設置する場合や、周りをサビで汚したくない場合はこの素材をお勧めしています。
ただステンレスの場合は見た目が綺麗すぎて風合いが良くありません。
表面を塗装すれば見た目の問題はクリアしますが、素材感をもっと引き出すために素材の表面を薬品で化学反応させ、黒く着色する「黒染め」を施しています。
黒染めは塗装よりも塗膜が薄く素材感があるのでアイアンのような素朴さがあります。
少し専門的な話になりますがステンレスの表面には不動態皮膜と呼ばれる膜があります。これはステンレスの成分である「クロム」が大気中の酸素に酸化されることにより生成されます。素材自体の成分からできているので剥げてもまた再生されるという特徴があります。
この膜により表面が保護されることでサビから身を守っているのです。
ただこの強い膜があることにより薬品も弾いてしまうので、普通に黒染め用の薬品をつけても黒くなりません。
その為表面処理により膜を剥がしたり、温度を変えることで反応を良くしたりと色々と工夫をしないといけません。
この膜を一旦除去するという工程がとても大変で、たくさん試行錯誤して方法を探りました。
※まだまだ色々な方法を試していますが、少しづつ安定した色を出す事ができるようになってきました。
塗装は均一的な美しさがあり、黒染めには素材が持つ魅力を引き出す良さがあります。
どちらが優れているというわけではないので、ステンレスの素材感と、素材の持つ「錆びない」という利点を活かした製品づくりをしていきたいと思います。