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金属製品のリメイク
たまに金属製品のリメイクの依頼を頂く。
金属はとても丈夫な素材なので、メンテナンスをすればとても長く使える。
錆が出ていたとしても磨けばまだまだ使える。
今日は10年以上前にとある工房で作ってもらったという看板の、リメイク作業をした。
フレームは鉄で、板部分は銅と真鍮で組まれている。
蔦が巻き付いたような意匠のとても凝った作りの看板。
鉄部分は錆が浮いており、板部分も経年変化で真っ黒になっている。
錆は進行すると表面から内部まで進むのだけど、依頼品は表面だけが錆びていたのでスポンジ状のヤスリで擦って錆を落とす。
製作時に良い塗料を使っていたようで、年数の割に劣化は少ない。
塗装が浮いてしまっていると、上から塗装をしても剥がれてしまうので、浮きがないかチェックしながら錆を落とす。
作業をしながらよくよく観察をすると、製作時についたであろう傷や、凹みに気がつく。
僕も同じような作業を行うので、なんとなく察しがついて面白い。
「ここにこの凹みがあるってことはこうやって曲げたのかな」とか「この部分はどうやって加工したのだろう」と考えながら作業を進める。
錆を落としてから破損箇所を溶接する。
そのあと脱脂を行い、艶消しの塗装していく。
板部分は真鍮製の文字の張り替えと研磨作業。
10年もすると銅も真鍮も真っ黒になっている。
はじめ見た時には何の金属か分からなかったほどだ。
7割ほど行い、残りは次の日に回す。
リメイクは大変さもあるけど、なかなか楽しい。
修理やリメイクの作業は実物を見て色々試してみいないと、どう加工するか決められない。
金属だと聞いて預かった製品の一部が、実は木材だったこともあるし、鉄だと思ったらアルミだったりする。
サニーサイドスタジオにある工具や技術で対応できればなんとかするのだけど、アルミを溶接するには専用の溶接機が要るし、木材であればできることは限られる。
もし失敗すれば元通りにはならないので、できないことはできないと断ることもある。
それでも、、と言ってもらえる場合には自分でできる範囲で頑張る。
木材の部分を金属に変えたり、アルミの部分は溶接ではなくボルトで接合したり、接着剤を試す。
色々と手間はかかるけど、技術や経験として得られるものは多いし、捨てようとしていたものが、上手くいけばまた10年は使える。
そう思うとワクワクする。
最初に作った職人はどんな想いでこの製品を作ったのだろうと想像する。
じっくり観察していると全く知らないのに、身近に感じてくるから不思議なものだと思う。
生まれ変わった姿を見て驚いてくれるだろうか。