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アイアン工房のファッション
知り合いの革職人さんが、サプライズでエプロンを作って下さいました。
馬革を使っているので軽くてとても使いやすいです。
革の質感や手触りがとても上質なので、とても格好良く趣のあるエプロンだなと思います。
鉄工の仕事をしていると火傷やケガを防ぐために、服装にはとても気を使います。
ただ保護性ばかり求めると重く使いづらかったり、快適性が落ちてしまいます。
ナイロンやポリエステルは軽く快適性も抜群なのですが、化繊は熱で溶けて皮膚に張り付いてしまうこともあります。
ちょっとした熱で溶けて穴が空いてしまうので、安全を考えると鉄工作業には使いにくいのです。
なので基本的には綿100%のものや、革製の保護具を着用します。
デザイン性と機能性を兼ね備えた作業着も増えてきていますが、溶接をする人間からするとまだまだ少ない。
なので最近はアウトドア用の服や道具を使うことも増えてきました。
基本的に丈夫で焚き火を想定しており、綿製のものも多い。
アウトドアブームということも様々なデザインの製品が販売されているので、溶接をする身としては嬉しい限りです。
快適に、楽しく作業するためにも色々な作業具もして欲しいなと感じています。
やっぱり格好いい服を着ていたいですからね!
モノづくりは減点方式
一人でものを作っているとわりと孤独です。
でも毎回毎回オーダーメイドで作るので、色々考えないといけないし、材料の手配はしないといけないし。
体だけでなく頭もフル回転です。
誰かに止められることもないので、気がつけば昼を回っていることもしばしば。
以前昼ごはんを全く食べずに仕事をしていた時期があったのですが、胃腸に負担がかかったのか入院するハメに。
そこからは意識をして休憩は取るようにしています。
ものを作りながら考えていることは結構ネガティブで、あ、ちょっと歪んだな、とか、これもっと別のデザインの方が良かったかな?とかマイナスなことばかり考えています。
ものを作っても100点ということはあり得なくて、やっぱり減点方式になってしまいます。
たまに思いも寄らないホームランも打ちますが、100点は取れない。
100点を取れないからこそ向上心を持ち続けることができると信じて毎日作っています。
同じものを毎日作っていると、前回と比べて。とか、次はこうしよう。という経験値を積んでいけますが、
オーダーメイドの場合はなかなかそうはいかない。
それでも少しでも次に活きるようにデータを取ったり、写真を残したりと結構忙しくしています。
一日の製作が終わると体よりも頭が疲れてしまいます。
主張と調和の看板看板作り
今日は午前中からお客様が工房に来られました。
この時期の工房はとても冷え込みます。
工房内はきちんと空調の効く部屋がなく、小さな石油ストーブを炊いて凌いでいますが、外から来られるお客様にとってはあまり良い環境ではないなと思いました。
もう少し落ち着いてお話ができる空間作りをしないといけません。
サニーサイドスタジオで作る看板は、目を引くような派手さはありません。
これはお店の前に設置した際に、悪目立ちをして欲しくないという考えでデザインしているからです。
強い色や、大きな文字は確かに目立ちますが、お店の雰囲気やコンセプトに合っているかという点では、必ずしも目立てば良いというわけではありません。
お店の世界観は壊さないけど、お客様を迎える目印になったり、ふと目に止まり足を止めて頂ける。そんな看板作りをしたいと考えています。
この辺りの考えは以前noteにも書きました。
ただお店の世界観を優先しすぎて、お客様が迷ってしまうというのでは本末転倒です。
看板が、「ここに居ます」という主張一辺倒では無く、「ようこそいらっしゃいました」と歓迎するというイメージぐらいがちょうど良いかなと思います。
主張と調和のバランスを取る。
難しいですが、しっかり見極めて提案していきたいと思います。
溶接って危険じゃないの?と聞かれたので
「溶接やりませんか?」というと「危険じゃないの?」と返されます。
溶接は危険な作業です。はい。それは間違いありません。
ただきちんと作業着や、革手袋などの保護具を着用して機械の扱い
をキチンと教わり、手順を徹底して守っていれば、そこまで怖がるものでもありません。
例えば、どんなスポーツでも自分の実力以上の事をしようとすればケガの原因になります。オートバイに乗るときには免許を取り、ヘルメットを被り交通ルールを守らなければ、最悪死んでしまう事もあります。
登山道に入る前に装備を整え、道を調べて計画を立てなければ遭難してしまいます。
それと同じでルールや基本作業をキチンと守り、無理をしない。
という事が大切なんです。
溶接のように特殊であまり一般に知られていない技術や物事であればあるほど、危険だというイメージは大きくなりがちですが、実はそうでもありません。
溶接が危険だと言われるのには鉄がドロドロに溶けたり、火花が飛ぶという非日常だからでしょうか。(それが面白いのですが…。)それに薄暗い鉄工所のイメージから来る取っ付きにくさからでしょうか。
溶接をやってみたいけど、2の足を踏んでいる方に伝えたい事は、「キチンとルールを守り、熟練者の指導を受ければ初心者の方でも楽しめる」「ルールや基本の手順を守らなければどんなものでも危険だ」ということです。
つまりは溶接=危険というイメージに囚われて欲しくないのです。
少し前までは若い女性が丸ノコやインパクトドライバーを使う事は珍しかったし、ホームセンターなんておじさんが行く場所でした。それが今は大きく様変わりしています。DIY=日曜大工というイメージは随分と変わったなと思います。
溶接が新しいDIYとして、認知される為には、正しい情報や、教える人がもっと必要で、それらが充実してくれば取り組む人も増えます。そうすると企業が参入してきてもっとお洒落で使いやすい保護具も開発されるかもしれません。
そうなれば溶接の業界ももっと良くなると思いますし、仕事として溶接に取り組む人が増えるかもしれません。
溶接は良く知られていないからなんとなく怖そう。と思われています。また鉄工所の薄暗いイメージでとても危険な作業だというイメージが強いと思います。サニーサイドスタジオでは溶接をもっと気軽に楽しんで頂けるよう、イメージから変えていきたいと思っています。
まずは一度ワークショップで溶接の世界を体験してみて下さい。
新しいDIY 「溶接」を楽しんで下さい!