コラム

2019/07/03 12:30

アイアン看板で人の足を止めたい。

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街中にはたくさんの看板や標識、言葉があって、競い合うように派手で大きく、自己主張をしています。

人に伝える為のものなので、それはそれで仕方の無いことなのかもしれませんが、道を歩いていても必ず目に飛び込んできて、意識に働きかけてきます。

 

疲れている時や精神的に落ち込んでいる時には、街中の情報の多さに圧倒されてしまう事もあって意識への暴力がすごいと感じます。

見たくも無い物を見せられたり、知りたくもない情報を無理やり目の前に突きつけられるのはツライものです。

 

●美しい物があれば人は足を止めるものだと思う。

 

逆に、物でも風景でもつい足を止めて見入ってしまうことがあります。

 

雲の切れ間に沈む夕日、雨に濡れた紫陽花。綺麗な色の絵画。上質な革製の鞄。

僕は色んな物に足を止めてしまうので、怪しいと言われることもしばしばですが、人は無意識のうちに美しい物に惹かれるものかなと思います。

 

派手さや大きさは無理やりに感情をこじ開け飛び込んできますが、美しいものにはスッと心の中に入ってくるような切れ味があります。

 

 

●アイアン看板で人の足を止めたい。

 

最近、看板の依頼を頂く事が増えてきました。

アイアンで造る看板は派手さはありません。

人の目を惹くような大きな文字もありませんし、派手な色味もありません。

 

製作の際に心がけているのは、「造形として美しいかどうか」ということです。

先述のように、人は美しいと感じるものがあれば自然と足を止め、見入ってしまうものだと思います。

 

だから看板の大きさや派手さは必ずしも必要ではありません。

 

 

美しさで人の足を止め、情報を伝える。

 

 

人の感情にドカドカ入って行くのではなく、相手が自然にドアを開けてくれるというのが理想です。

 

 

●看板の役割

 

個人的に看板には2種類の役割があると考えています。

 

1つは存在を知ってもらう役割。

もう一つは入り口を美しく飾る役割です。

 

自身の存在を知ってもらうためには、街行く人に知って貰わないといけません。

 

でも看板は訪問者が最初に出会うお店の顔でもあります。看板一つでこれから訪問する場所の期待値が上がったり、ワクワクすることがあります。

 

だから美しく、存在感を放つ看板で人の足を止め、そして期待にワクワクさせたいと思っています。

 

そうすれば街の景観も壊さないし、お店の存在を知ってもらう事もできる。

それに街中に美しい物が増えれば、街や人がちょっと幸せになると思います。

 

 

街中を歩いているとそんな事をふと考えます。

理想ばかり先立ちますが、そんなものづくりをしたいと考えています。

2019/06/25 10:36

鉄のリアルな錆エイジングをしてみた。

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古びた雰囲気を出す為に、ペイントでサビを表現するエイジング塗装というものがあります。

手軽に質感を出せるのですが、どうせならペイントではなく、酸を塗って強制的にサビを出すリアルなエイジングをしてみました。

 

アイアン好きの方の中には「錆が好きです!」って人も多く、サビがアイアンの魅力だと考える人も多いです。

僕も個人的に錆は好きなので、この魅力を自由に表現できるようになりたいと思っています。

 

 

酸を塗って表面に強制的に錆を発生させ、良いタイミングで錆を止める。

そうすると表面処理として錆を利用する事ができます。

ペイントには無い、深い色合いや雰囲気が出せるので、とても好きなのですが色味のコントロールが難しかったり、再現性に乏しいので、製品として使えるかは微妙なところです。

金属工芸の世界では見る技法ですが、アイアン家具ではあまり使われません。

この技法を1点物の看板などで、意匠として利用出来ないかと思い、色々実験しています。

 

 

2019/06/22 14:33

表面塗装とサビの発生のこと

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アイアン製品を作っていると必ず聞かれるのが 錆は出ますか?という質問です。

鉄は空気中の水分と結びつきやすく、使用環境によっては数日で赤い錆が出てきます。

それを抑えるために通常は鉄製品には分厚い塗装をしますが、塗装をする事で鉄の風合いが消えてしまいます。

 

僕は鉄の持つ風合いが好きなのであまり塗装をしません。このブログを読んでいる方も同じでしょうか笑

それでも室内で使う家具がすぐに真っ赤になってしまっては服も汚れてしまいますよね。

なのでサニーサイドスタジオではアイアンの風合いを損なうこと無く、錆を抑えることのできる

「つや消しウレタンクリア塗装」を施しています。

つや消しなのでパッと見には塗装をしているようには見えません。

クルマの塗装にも使う丈夫な塗装なので、耐久性もあります。

 

クリア塗装のみだと、完全に錆を止めることはできませんが、経年変化やアイアンの風合いを楽しみつつ、

実用性も兼ね備えているので、サニーサイドスタジオではこのクリア塗装をおすすめしています。

 

「錆が好きだ!」という方にはオイルを塗布して防錆する「オイル仕上げ」もあります。

椅子などの体に触れる製品には向きませんが、経年変化が大きいので鉄好きにはもってこい。

 

どちらにせよ、用途をお伺いして最適な仕上げをご提案させて頂いていますので、お気軽にご相談ください。

 

 

2019/06/20 12:24

ミニ看板のご依頼と絆の話

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朝から依頼品のお引き取りに来て下さいました。

依頼品は卓上にも置けるサイズのミニ看板。

 

依頼者様は青年海外協力隊としてアフリカのマラウィに2年半滞在されていました。

その時メンバーが長野県でお店を出すので、お祝いとして送りたいとのご依頼。

聞けば現地ではエイズについての啓蒙活動などを行なっていたそうで、とても大変だったそうです。

だからこそ今でも協力隊のメンバーとは強い絆で結ばれているのだと思います。

 

僕は一人でこの仕事をしていますが、妻には仕事の事を積極的に話すようにしていています。

数年後にあの時はああだったね、こうだったね。と言い合いたいなと思います。

 

今の大変さが将来の絆になれば良いなと、依頼者様とお話ししていて感じました。

 

ちなみに「ぱちょこ」はマラウイ語でちょっとずつという意味だそうです。

今日は、つい焦ってしまいがちな自分に「ぱちょこ、ぱちょこ…」と言い聞かせて仕事をします。

2019/04/14 15:16

溶接って誰でもできるの?危険じゃないの?という質問に答えながら考えた事

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「溶接やりませんか?」というと「危険じゃないの?」と返されます。
溶接は危険な作業です。はい。それは間違いありません。
ただきちんと作業着や、革手袋などの保護具を着用して機械の扱い
をキチンと教わり、手順を徹底して守っていれば、そこまで怖がるものでもありません。
例えば、どんなスポーツでも自分の実力以上の事をしようとすればケガの原因になります。オートバイに乗るときには免許を取り、ヘルメットを被り交通ルールを守らなければ、最悪死んでしまう事もあります。
登山道に入る前に装備を整え、道を調べて計画を立てなければ遭難してしまいます。
それと同じでルールや基本作業をキチンと守り、無理をしない。
という事が大切なんです。
溶接のように特殊であまり一般に知られていない技術や物事であればあるほど、危険だというイメージは大きくなりがちですが、実はそうでもありません。
溶接が危険だと言われるのには鉄がドロドロに溶けたり、火花が飛ぶという非日常だからでしょうか。(それが面白いのですが…。)それに薄暗い鉄工所のイメージから来る取っ付きにくさからでしょうか。
溶接をやってみたいけど、2の足を踏んでいる方に伝えたい事は、「キチンとルールを守り、熟練者の指導を受ければ初心者の方でも楽しめる」「ルールや基本の手順を守らなければどんなものでも危険だ」ということです。
つまりは溶接=危険というイメージに囚われて欲しくないのです。
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少し前までは若い女性が丸ノコやインパクトドライバーを使う事は珍しかったし、ホームセンターなんておじさんが行く場所でした。それが今は大きく様変わりしています。DIY=日曜大工というイメージは随分と変わったなと思います。
溶接が新しいDIYとして、認知される為には、正しい情報や、教える人がもっと必要で、それらが充実してくれば取り組む人も増えます。そうすると企業が参入してきてもっとお洒落で使いやすい保護具も開発されるかもしれません。
そうなれば溶接の業界ももっと良くなると思いますし、仕事として溶接に取り組む人が増えるかもしれません。
溶接は良く知られていないからなんとなく怖そう。と思われています。また鉄工所の薄暗いイメージでとても危険な作業だというイメージが強いと思います。サニーサイドスタジオでは溶接をもっと気軽に楽しんで頂けるよう、イメージから変えていきたいと思っています。
まずは一度ワークショップで溶接の世界を体験してみて下さい。
新しいDIY 「溶接」を楽しんで下さい!