工房ブログ

2019/08/27 14:02

雨が降ったので錆について書いてみた。その魅力と付き合い方。

77409FC7-144F-43F2-814E-013266A988B6.jpeg

アイアン製品を作っていると良く聞かれるのが、「錆ますか?」という事。

鉄だから錆びるのは当たり前だけど、製品としてちゃんと使えるの?という疑問があるようです。

僕はこういう時には

「鉄製ですので使っているうちに錆は発生します。その発生をゆっくりにする為にコーティングをしていますが、錆の発生はゼロではありません。錆が少しづつ出てきて、風合いが増していくのも楽しんで頂ければと思います。」

とお答えしています。


以前も書きましたが、僕は鉄に錆が発生して、どんどん変化していくところも鉄製品の魅力だと思っています。
ただ何もしないで放っておくと、あっという間に真っ赤な錆に覆われてしまいます。
それでは実用品としては使い難くなります。

その為、サニーサイドスタジオではウレタン塗料という丈夫な塗装で表面保護しています。
透明なウレタン塗装は、鉄の風合いを損なうことなく表面を保護してくれます。
軒先で使うような置き型の看板や、室内で使う物であればこちらで十分だと思います。

屋外で常に雨ざらしになる場合や、出来るだけ錆させたくない場合には艶消しの黒色で塗装する方法もあります。
この場合、錆止め塗装と黒色のウレタン塗装で表面を二重に保護するので、
錆から本体を守る力はより強くなります。

このように使用用途や、要望を聞いてご提案させて頂くので、心配な点があればお気軽にご相談下さい。

※ちなみに塗装は吹き付けで行い、鉄の表面の風合いを出来るだけ無くさない滑らかな仕上げにしています。


個人的には鉄が錆びていく様子というのは、革製品が手に馴染むような、デニムの藍色が少しづつ褪せていくような。そんな魅力があると思っています。丈夫な素材なので長く使うことができ、風合いの変化を楽しんで頂きたいと思っています。


因みに鉄は自然界では「鉄鉱石」の状態で存在しています。それを高い熱でドロドロに溶かし、精製して鉄だけを取り出しています。

鉄は製品になってからも酸素と結びつき錆が発生します。空気中には酸素が漂っているので、放っておいても鉄と反応しますし、水がかかればなおさらです。
その酸素や水から鉄を遮断する為に、塗装を施すという訳です。

NHKの番組で「鉄はなぜ錆びるの?」という疑問に対して、「鉄は錆びたがっているから」と答えていたのが印象的でした。鉄は自然界での鉄鉱石(酸化鉄)の姿戻ろうとしているそうです。

人工的に精製された鉄ですが、元の状態に戻ろうとする姿からは素材としての生命力のようなものを感じます。
鉄という変化する素材を楽しんで頂き、そも魅力を少しでも引き出せるよう毎日ものづくりをしています。

 

トップの画像はウレタンクリア塗装をして2年間雨ざらしで、直射日光にさらされた工房の看板です。うっすら錆が浮いているのが分かるでしょうか?メンテナンス無しでこの程度の変化が起きますので、参考にして頂ければと思います。
2019/08/27 11:06

鉄の魅力

B91E3659-7825-463B-A0C6-ABD2862A7526.jpeg

 

サニーサイドスタジオでは主に鉄でモノづくりをしています。

鍛冶屋だった祖父の影響もありますが、僕はこの鉄という素材が大好きです。

鉄の魅力というのは「硬くて丈夫」ということ。

硬く重たい鉄を火花を散らしてバリバリ切ったり、力いっぱい曲げたり、溶接で溶かしたり。

とても手間や、時に力も要る仕事です。

時に鉄という素材に自分が試されている。そんな気分にさせてくれます。


それに一度組み上げてしまえばよほどのことがない限り壊れないし、木よりも細くシャープなデザインにすることができるので、そこに素材としての魅力を感じます。

 

そしてもう一つの魅力が「錆びる」という点です。

丈夫な鉄ですが水や湿気には弱く、放っておくと錆が発生します。

鉄は自然界では酸素と結合した酸化鉄(鉄鉱石)の状態で存在していて、これを人間が無理やり精製して鉄だけを取り出しています。

鉄が空気中の酸素と結合して錆びてしまうのは、この自然界での状態に戻ろうとする作用だそうです。

丈夫な反面、素材としてはある意味不完全だとも言えますが、この不完全さが鉄の魅力につながっていると思います。

経年変化を悪と捉えるのではなく、「育てる楽しみ」と捉えると鉄という素材により魅力を感じてもらえると思います。

履き込んだジーンズや、使い込んだ革小物のように自分だけの品に変化していく様を楽しんで頂きたいです。


重厚感とシャープなデザイン性。そして経年変化。鉄はたくさんの魅力のある素材です。

今後も鉄の素材感を愉しめる、美しい製品を作っていきたいと思います。